イブニングセッション

Max Summer School in Geidai 2022

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8/1 18:00~19:00

「MaxによるMoog Werkstatt-01のシミュレーション」

東京工科大学デザイン学部
松村 誠一郎

概要

ノードベースのプログラミング環境のMaxは、モジュラーシンセサイザーの再現に適している。本研究はMoog Werkstatt-01Moogfest 2014 Kit(以下、Werkstatt)のシミュレーションを試みた。Werkstattは2014年のMoog Festでのワークショップ用限定のシンセキットが一般用キットとして販売されたものである。当時のワークショップでは基板への部品のハンダ付け作業が必要であったようだが、市販キットの方はすべて部品は接続済みでケースを取り付けるだけの状態である。1VCO(ノコギリ波/パルス波選択)、VCF(レゾナンス付き4ポールフィルター)、LFO(矩形波/三角波)、EG(Attack/Decay/Sustain)などの基本的なアナログ・シンセサイザーの仕様である。各セクションからはCV/Audio Outがあり、ブレッドボード用のジャンパーワイヤー(オスーオス)でパッチングができるセミモジュラーシンセサイザーの機能も有する。以下のサイトで主な仕様が公開されており、本研究では可能な限りこの仕様に沿ってパッチを制作した。
http://www.korg-kid.com/moog/product-details/werkstatt-01-moogfest-2014-kit/

Werkstattはアナログ・シンセサイザーの構造や振る舞いを理解する教育用のシンセサイザーであるが、本研究のシミュレーションパッチも可能な限り近似した構造となっているため、同様にシンセサイザーの構造を学ぶことが可能である。一方、実機のWerkstattには独自の外部回路を追加したり、配線を変更して改造するプロジェクト(Mods)がある。
https://www.moogmusic.com/media/werkstatt-01-projects-mods

上記の他にもネット上を検索すると数多くのSynth ModsプロジェクトのWebサイトを見つけることができる。これらはハードウェアに介入するために一定の電子工作の知識と技術が必要となり、またハードウェアの改造には電子回路の破損のリスクはつきものである。Maxで再現するWerkstattパッチの利点は、Max内のオブジェクトの追加とパッチングにより気軽に上記に類似した「改造」が試せることである。このパッチを出発点としていろいろ試してみて欲しい。

注1:Moog Werkstatt-01はMoog.incの登録商標である。
注2:添付のスクリーンショット画像は制作途中の段階のものである。

8/2 18:00~19:00

作品のために制作した電子楽器デバイスの解説

磯部英彬

概要

私の音楽作品の多くはMAXと連携した電子デバイス等を使い創作しています。電子デバイスは主に演奏家の身体の拡張や、音響空間を拡張するために用いています。電子デバイスは各作品に最適になるように一から制作することが多いです。今回はその中から何点かのデバイスを制作過程、作品とともに紹介させていただきたいと思います。

8/3 18:00~19:00

「9軸モーションセンサーとMAX」

村田 厚生

概要

池田 拓実 / 《par fumee》 9軸センサモジュールを伴うトロンボーンのための
Takumi Ikeda / 《par fumee》for trombone and 9-axis motion sensor(2020)

村田 厚生・磯部 英彬 / 《Air》 ~エア・トロンボーンのための
Kousei Murata + Hideaki Isobe / 《Air》 for Air-trombone (2020)

トロンボーン:村田厚生、オペレーター:池田 拓実、磯部 英彬

8/4 18:00~18:30

《Antescofo―スコアフォローイングとその応用―》

福澤龍一

概要

①Antescofo概略
→開発の経緯
→ダウンロード方法
→antescofoの利点

②Antescofoの使用方法
→楽譜からテキストへの変換方法
→テキストの書き方

③antescofoを使用した作品例
→live electronicsの例
→その他応用(映像との連携など)

8/4 18:30~19:00

Shi-Ki-So-ku-Ze-Ku

大谷泰斗

概要

Max For Liveデバイスを用いたオーディオビジュアルライブ。
群衆シミュレーションによって作られる生命のようなピクセルが、
オーディオの生成に用いられるさまざまなパラメータに
呼応することで、 聴覚と視覚に共感覚的な体験を作り出すことを目指したライブ演目です。